2011年8月26日金曜日

消えてしまった「宵のうち」

どの業界でもそうなんですが、専門用語っていうのは理解しにくいものです。
毎日の天気予報で聞き慣れている気象用語でも、なんとなく意味はわかっているけど、正確に説明して!って言われると、言葉に詰まってしまう単語はありませんか?

例えば、「晴れのちくもり」、「くもり時々雨」、「くもり一時雨」など、天気の変化を表す単語。
気圧の谷の影響により・・・」なんて言い方も、天気が悪くなるのはなんとなくわかるけど、「気圧の谷」って一体何? いろいろ疑問はありますよね。

今日はその中でも、1日の時間を表す気象用語を説明します!
予報において時間を表すときは、具体的に「12時頃から15時頃まで」と時刻を言うこともありますが、「昼過ぎ」や「夜のはじめ頃」といった用語を使うことが多いです。
1日を3時間ごとに8区分し、以下のような呼び方をします。

◆ 画像は気象庁より引用 ◆

「昼過ぎから夕方にかけて」のように組み合わせて使うこともありますね。

気象用語は、一般利用者の目線に立った明確さ平易さ聞取りやすさを求めて改正されることがあります。
最近では2007年(平成19年)4月1日に全面的な見直しが行われ、それまでは「未明」、「朝」、「夜のはじめ頃」という用語は別の呼び方をしていました。
  • 00 - 03時: 「午前3時頃まで」 →  「未明」
  • 06 - 09時: 「朝のうち」 →  「朝」
  • 18 - 21時: 「宵のうち」 →  「夜のはじめ頃」

今年の夏、毎日のように耳にした「熱中症」や「猛暑日」も、実はこの時から使われるようになったんです。
国民からは、「宵のうち」は情緒ある言葉なので残してほしいとの意見が多かったそうですが、「時間帯を表す用語は誤解なく伝わることが重要」として、気象の世界からは消えてしまいました。

天気予報って・・・1つ1つ理解しながら聞いてみると、また違った楽しさがあるものです。

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